宮城県東松島市赤井のドックラン併設の本格ピッツァと絶品ステーキのお店

宅配ピザなどで私たちに馴染み深い"ピザ"はいろんな具をのせて焼いたものですが、本場ナポリで親しまれている"ピッツァ"とは作り方も味わいも大きく異なることはご存じでしょうか。
"ピザ"とは異なる、ナポリの"ピッツァ"について、その歴史や、厳格に守られている製法、美味しく味わうための基礎知識をご紹介します。

●ナポリピッツァの歴史

もともとは、生地にラードを塗って焼きながら店先や屋台で売られていたシンプルタイプで、生地だけを平たくのばして焼いた「フォカッチャ」がピッツァの先祖といわれています。
ナポリにピッツァらしきものが誕生したのは1660年頃のこと。その先祖ピッツァは、ラードとバジリコ、チーズのみで作られ、バジリコを意味する「マストゥニコーラ」の名で呼ばれていました。
1750年頃、現在「マリナーラ」と呼ばれ世界中で親しまれているピッツァが登場します。これは生地にトマトソースをのせてオイルをふっただけの簡単なもので、漁師たちが立ち寄ったパン屋にリクエストして作らせたのが始まり。現在ではピッツァに欠かせないトマトを使った最初のピッツァです。
また、現在イタリアでピッツァの代名詞的存在とされる「マルゲリータ」の誕生は1889年。イタリア統一を果たした王女マルゲリータのナポリ訪問を歓迎してピッツァ職人エスポースィトが献上したことによる、と今日に伝えられています。ピッツァ・マルゲリータは生地の上にトマト、モッツァレラチーズ、オイル、バジリコの葉をのせて焼いただけのシンプルなピッツァで、偶然でありますが、トマトの赤、モッツァレラチーズの白、バジリコの緑がイタリアの国旗をイメージさせます。
ナポリの人々にとってピッツァはごく自然に暮らしに溶け込み、人気が高くても珍しいわけではない庶民的な食べ物。ただし、ピッツァが今日のような知名度を確立したのは、本場ナポリ以外では本国イタリアにおいても比較的最近で、1960年代のピッツァブームで脚光を浴びてからのことです。

真のナポリピッツァと呼ばれるための条件

ナポリでは、古くから伝わるピッツァ職人の伝統技術が世代交代を経て変わっていくことを防ぐため「真のナポリピッツァ協会」が設立されており、市をあげてピッツァの伝統的な製法が守られています。
ここで同協会が定める"本物のナポリピッツァ"と呼ばれるための最低限の条件をご紹介します。

生地に使用する材料は、
小麦粉、水、酵母、塩の
4つのみ

生地の材料は小麦粉をベースに、酵母、水、塩の4つだけ。オイルは、ピッツァを焼くときにいい焼き具合を得るために「上にふりかける」ことは許されていますが、生地の中に混ぜ込むのは断じて厳禁。生地に混ぜ込んだら、ナポリピッツァとは呼ばれません。生地は手または、ミキサーで練ることも認められて
います。

生地は手だけを
使って延ばす

生地を延ばす際には大理石の調理台の上に発酵した生地をのせ、生地がくっつかないよう小麦粉で打ち粉をしながら「手で」延ばします。生地を焼いたとき、へり(外周)が盛りあがり、「額縁(Cornicione)」状にならねばなりません。この額縁がストッパーの役割を果たし、具が生地から外へ
流れ出てしまうの
を防ぎます。

窯の床面にて
直焼きする

窯の内部温度は摂氏500度以上にもなります。焼く数時間前に火入れし、窯を調理に必要な温度にしておきます。熟練の職人は400から450度の床面ベストポジションを見極めてパーラ(ピッツァを移動させるのに使う柄の長いヘラ)にのせたピッツァを入れます。焼き上がりま
で1分少々。スピード加熱で
粉っぽくなく、表面がカリ
ッとして、内側がふんわり
とした状態を作り出します。

窯の燃料は薪もしくは
木くずとする

窯は「木材のみを燃料とする」と定められています。薪は、煙やにおいでピッツァそのものの香りを損ねないような材木(樫やオリーブの木)や木くずをを使用します。ガス、電気、石油などの熱源は、本物のナポリピッツァには
御法度、一切認められて
いません。

仕上がりはふっくらと、「額縁」がある

周囲がふくれていて「いい顔」をしているのもナポリピッツァの特徴。前述のような「額縁」、通称コルニチョーネ(Cornicione)がでこぼこしてところどころに焦げ目がついていると、いかにも美味しそうです。焼きたて
パンのようないい風味がすることも大切です。真ん中の
部分は、柔らかくなくてはいけません。テイクアウトで
立ち食いすることも多いナポリピッツァは、簡単に2つ
折りや4つ折りにできなくてはならないからです。

上にのせる
材料にもこだわる

■オイル
生地の中央におかれたさまざまな具の上からオイルをふります。調理に用いられるオイルは、酸化しにくく高温でも安定したものを選ぶことが大切。最も適しているのはオリーブオイル、それもエクストラ・バージンオリーブオイルです。

■トマト
生のトマトに比べて水分調整がしやすい缶詰のトマトを使用するのがナポリ流。使用されるトマトは「サンマルツァーノ種」でなくてはなりません。

■チーズ
ピッツァに使用するチーズの種類は、モッツァレラ以外にパルミジャーノ、グラーナ・パダーノ、もしくはペコリーノの粉末をふりかけることが認められています。

■バジリコ
「すべてのピッツァにバジリコの葉をのせるのがよい」と協会の規約にあり、ピッツァの種類に関係なく使って良いことになっています。バジリコはナポリで昔から愛用されてきたハーブです。